人(霊止)還りの道 – 659編

総て悪を罰するものは悪人でなければならぬ
虚偽・譎詐・獰猛・峻酷等の悪徳なきものは到底悪人を罰することは出来得ないのである

しかしながら現界と地獄界と異なる点は現界にては大悪が発見されなかつたりまた善人が悪と誤解されて責罰を受くることが沢山にあるに反し地獄界においては悪そのものが自ら進んで墜ち行くのであるからあたかも衡にかけたごとく少しの不平衡もないものである

しかして獰猛と峻酷の内分もまた外分即ち相好の上に現はるるものである
故に地獄に墜ちてをる邪鬼および邪霊は何れもその内分相応の面貌を保ち生氣なき死屍の相を現じ疣や痣また大なる腫物等一見して実に不快な感じを与ふるものである

然し之は高天原に到るべき天人の目よりその内分を透して見たる形相であつて地獄の邪霊相互の間にては決して余り醜しく見えないものである
なぜなれば彼らは皆虚偽を以て真と信じ悪を以て善と感じてゐるからである

時あつて天上より大神の光明が地獄界を照らす時は彼らは忽ち珍姿怪態を暴露しあたかも妖怪のごとき相好を現はし自らその姿の恐ろしきに驚くものである
しかしながら天界より光明下り来たる時は朦朧たる地獄は層一層暗黒の度を増すものである

鈴木慧星 SUZUKI Satose
Shamanism Consulting.

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