「人(霊止)還りの道」642編



まづ座敷の掃除からやるのだ
ずゐぶん広い間だからちよつと骨が折れるぞ
骨折れるといつても障子の骨折つちや
たちまち幾分かの損害だから
充分注意をしてもらはねばならぬ
まづ掃除の仕方から教へてやらう

一番に戸障子を開け放つてしまひ
どうしても動かすことの出来ぬ大切な品物は被物をかけておくのだ
それから払塵(ハタキ)のかけ方は天井のスミズミから戸障子腰張りといふ順序に
上からダンダンと払塵の先で品よくハタクやうにするのだ
ハタキが済むと今度は箒(ホウキ)だ

コラコラそんな掃きやうがあるあ
箒の使方は畳の目に添うて掃かないと
塵がスツカリ畳の中へ入つてしまふぢやないか
汝のやうに箒の先を上げよつて使ひよると
埃がそこらへ飛びさがして
箒は損むなり
また元の障子の桟へ止まつてしまふぢやないか
そんな中央の方ばかり掃いたつて何になる
隅々をよく掃きさへすれば
中央は独り美しうなるのだ
そして掃き掃除が済んだら
箒を吊つておくのだ
立てておくと
すぐに薙刀の穂先のやうに曲つてしまふぞ
掃除がスツカリすんだ後は
先についてをる塵を除つておくのだ

箒が済んだら
雑巾がけをやるのだ
雑巾はよく水につけ揉み出して
かなり固く絞り
力を入れて拭かないと
かへつて縁板が汚くなるぞ
バケツの水もたびたび取替えぬと駄目だ
雑巾のかけ方は板の目に添うて
雑巾をよく折返し拭くのだよ
縁の隅は雑巾を三角形に折つて拭くと
スミまで綺麗になる
ニス・漆の上等の材木などは
湿つた雑巾をかけては却つて悪くなるものだ
硝子研きも雑巾掛けも
みな人格の修養だ
そして社会奉仕の一つだ

・・・「人(霊止)還りの道」643編へつづく

関連記事一覧

無料メルマガ

お名前

メールアドレス


(ドメイン satose.jp 受信設定)

ブログポリシー

鈴木慧星 BLOG の知的財産権および財産・プライバシー・肖像権等その他の権利を侵害する行為等を一切禁止します

鈴木慧星 BLOG へのソーシャルメディアに関するポリシーおよびルールとマナーに違反する行為等を一切禁止します