「人(霊止)還りの道」163編


左右の御美豆羅にも御鬘にも
左右の御手にも
各八坂の勾璁の五百津の御須麻琉の珠を纏き持たして
曽毘良には千入の靭を負ひ
伊都の竹鞆を取り佩し
弓腹を振り立てて
堅庭は向股に踏みなづみ
沫雪なす蹶散かして
伊都の男健び踏み健びて待ち問ひ給はく
何故上来ませると問ひ給ひき
各宇氣比て御子生まな

天照大御神は矢筒や弓をお持ちになりて弓を一生懸命にギュッと満月のごとく引きしぼりました
これはいかにも女神の勇ましさとえらい勢を形容した意です

そして弟神の須佐之男命が軍勢を引き連れて来たならば一撃のもとに討ち亡ぼしてしまうてやらうと高天原の軍勢をお呼び集めになりました
これは須佐之男命が高天原に上って来るのは高天原を攻め落さうと思って来るのではないかと姉神の天照大御神は非常に御心配になってそれに対する用意をしてお待ちになった意です

男健び(オタケビ)
角力取りが土俵に上ってドンドンと四股をふんで全身の勇氣を出す有様の意です

天照大御神は須佐之男命へ
「汝は海原を治めてをればよいのである」
「しかるに今ごろ何がために高天原へ出て来たか」
と問ひになられました

すると須佐之男命は
「私がいま来て見れば大変な防備がしてある」
「大変な軍備がしてありますがこれは私に対する備へでせうが私は決してさういふきたない考へは持ってをりませぬ」
「ただ父君の伊弉諾大神がなにゆゑにその方は泣くかとお尋ねになりましたから実状を申し上げるのはどうも辛うございますし親様に心配をかけるのは畏れ多いと思って私は母の国に参ろうと思ひますと申し上げたところ大神はもっての外のお怒りでこの国を治めるだけの力なきものなら勝手に行けとおっしゃって手足の爪を抜き鬚をぬき髪の毛を一本もないやうにこんな風にせられました」
「それで私はこれから母の国に参りますといふことを姉上に申し上げに参ったのであります」
と答へました

さうしますると天照大御神は
「果たしてしからば汝は何によってその心の綺麗なことを証明するか証拠を見せてもらひたい」
とおほせられました

そこで須佐之男命は
「もしも私が悪かったならば斯々」
「善かったならば斯々」
と誓ひました

宇氣比(ウケヒ)
誓約の意です

・・・「人(霊止)還りの道」164編へつづく

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