「人(霊止)還りの道」161編


速須佐之男命に詔給はく
何とかも
みましは
事依させる国を治さずて泣きいさちる
吾は妣の国
根の堅洲国に罷らむと欲ふが故に哭く
然らばみまし此国にはな住みそ

天から伊弉諾大神が地上一切を御覧になって須佐之男命に
「そなたはこの大海原の国を治めよと云うてあるのになにゆゑそれを治めぬのか」
「世の中をかういふ難局におちいらせたのか」
「どうして騒がしい世の中としてしまうたのか」
と大変にお責めになりました

すると須佐之男命は
「まことに相すまぬことであります」
「ともかくこれは私に力が足らぬからであります」
「私が悪いのであります」
とお答へなりました

かうなって来てはいかなる神人が出て来ても時節にはかないません
悪運の強い時にはいかなる神人もこれを何うもかうもすることは出来ません

人盛んなれば天に勝ち
天定まって人を制す

時節の勢には
何事もかなわぬ

治まるときには治めなくても治まります
治まらぬときにこれを治めると云うことはむつかしいものです

須佐之男命が大変に行きつまった地上を治めようとなさってもどうしても治まらずこれはすべて自分の責任であり自分の不徳の致すところでありたうてい自分の力ではおよばないことであるとみづからをお責めになられ一言も部下の神々の不心得やその悪い行状をおほせられませんでした
今日では文武百官があり政党政派がたがひに相あらそひ一方がかうすれば一方が苦情を持ち出して思ふやうにならぬがごとくにそのめいめいが真神大神の御心を取りちがへて体主霊従におちいりどれ程まことの途を開こうとしたところでも耳に入れる者がなくめいめい勝手なまねをなさる様相です

須佐之男命は伊弉諾大神にお暇をいただいて母の国に帰らうとおほせられました

根の堅洲国(ネノカタスクニ)
月界の意であり母神の伊弉冉命がおいでになってゐる所の意です

伊弉諾大神は須佐之男命に
「その方のやうなこの海原を治める力量のないものならば二度とこの国に住んでなならぬ」
「勝手に根の堅洲国に行ったがよからう」
「一時でもをってはならぬぞ」
とお叱りになりました

伊弉諾大神は須佐之男命がどうして地上を治めることが出来ないかどうして万の神々が聴かぬのかすべて腹の底では充分にご存知でありましたがそれをかれこれ仰有りませんでした
しかし伊弉諾大神の心のうちには千万無量のお悲しみを持っておられましたがほかの多くの神々を傷つけると云うことは考へものであるために自分の珍の児である須佐之男命にあへて刑罰をあたへて罪人としたならばその他の八百万の神たちやこれに随いてゐる神々までがこれを見て改心するであろう己の悪を悟るだろうと思召して須佐之男命を罰せられました

伊弉諾大神の広大なるお情けぶかい御心はまことにもったいない次第です
しかし体主霊従におちいられた八百万の神たちは伊弉諾大神の御心を容易にそれが解りにならずすこぶる冷淡な間違った考へを持ちました

・・・「人(霊止)還りの道」162編へつづく

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