父は大国別の神
イホの都に現れまして
教を開き玉ひしが
三五の教の神司
その他百の神人に
追ひ払はれて顕恩の
郷に鬼雲彦を連れ
教を開き玉ひしが
間もなく父は世を去りて
鬼雲彦はバラモンの
教司となり終ほせ
われを見すてて顧みず
むなく吾はシロの島
神地の都に現はれて
やうやく教を四方の国
布き拡めつつ国民を
教へ導き王となり
これの国地は穏かに
治まりゐたる折りもあれ
ウラルの道の竜雲が
いづこともなく現はれて
日に日に勢力扶植して
傍若無人の彼の業
この神城を奪はむと
善からぬことを企てつ
心の狂ひしわれなりと
今は無残に籠の鳥
詮術なさに泣く涙
とどむる由も荒浪の
海に漂ふごとくなり
危険刻々身に迫り
明日をも知れぬ吾が生命
誠の神のましまさば
一日も早く曲神を
きため玉ひて元の如
われをば再び王となし
忠誠無比者をば救ひませ
名利に狂ふ曲神の
われの恩顧をうち忘れ
心きたなき竜雲が
前に腰をば屈めつつ
髭の塵をば払ふ奴
館の内外に充満し
正義は亡び邪は栄え
世は常闇と成り果てて
心の空は村雲に
包まれをへぬ十重二十重
晴らむ由も泣くばかり
神の御霊を幸はひて
一日も早く片時も
この苦しみを除かせよ
神は吾らと倶にます
神の心に叶ひなば
いかなることか成らざらむ
善をば助け曲神を
亡ぼしたまふ自在天
大国彦の御前に
謹み敬ひ願ぎまつる
旭は照るとも曇るとも
月は盈つとも虧くるとも
魔神は如何に荒ぶとも
誠の神のある限り
誠の道をひたすらに
守る真人をいかにして
守らでいます事あらむ
神よ吾らを憐みて
一日も早く救ひませ
吾が身一つの為ならず
シロの島根に生ひ立てる
青人草を救ふため
守らせ玉へと願ぎまつる
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