「人(霊止)還りの道」296編


大国主の神さまの妻呼びの歌を知つていますだらう
男子たる者はさうなくては到底世に立つことは出来ますまい
情を知らずしてどうして神司が完全に勤まりますか
八千矛の神さまを御覧なさい
はるばると出雲の国から越の国まで腰弁当でお出でになつたぢやありませぬか

八千矛の
神の命は
八州国
妻求ぎかねて
遠々し
越の国に
賢し女を
ありと聞かして
麗し女を
ありと聞こして
さよばひに
ありたたし
結婚にあり通はせ
太刀が緒も
未だ解かずて
襲ひをも
未だ解かねば
乙女の
鳴すや板戸を
押そぶらひ
吾が立たせれば
引こずらひ
吾が立たせれば
青山に
鵺は鳴き
野鳥
雉子は響む
庭つ鳥
雞は鳴く
概たくも
鳴くなる鳥か
此の鳥も
打ち悩めこせね
いしたふや
天はせづかひ
ことの語り言も
こをば

八千矛の神さまは越の国の沼河姫様の板の戸を夜の夜中に押し開け這入らうと遊ばす
沼河姫さまは這入られては大変と男と女が押ぞぶらひ引こづらひを永らく遊ばした末つひに大国主命さまの熱心なる恋に感じ沼河姫さまは戸の中から

八千矛の
神の命
軟え草の
女にしあれば
吾が心
浦渚の鳥ぞ
今こそは
千鳥にあらめ
のちは
和鳥にあらむを
いのちは
な死せ給ひそ
いしたふや
天はせづかひ
ことの語り言も
こをば

青山に
日が隠らば
烏羽玉の
夜は出でなむ
旭の
笑み栄え来て
栲綱の
白き腕
沫雪の
弱かやる胸を
そ叩き
叩き拱がり
真玉手
玉手さしまき
股長に
寝はなさむを
あやに
勿恋聞こし
八千矛の
神の命
ことの語り言も
こをば

沼河姫がたうとう降参つてしまひ実にローマンスが行はれたぢやありませぬか
八千矛の神一名大国主の神さまとは反対で沼河姫様よりズツと綺麗な賢女麗女にラバーされてそれを何とも思はずすげなくもエツパツパを喰はす考へですか
本当に人の悪い唐変木だなア
どうぞ早く御返事をして下さい

綾垣の
ふはやが下に
虫衾
柔やが下に
栲綱の
白き腕
そ叩き
叩き拱がり
真玉手
玉手差纏き
股長に
寝をし宿せ
豊御酒
献らせ

阿弥陀はん仏陀はん大将さんと皆の連中からピヨコピヨコ頭を下げられ敬遠主義を取られるやうになつてしまつちや根つから世の中が無味乾燥で面白くも何ともなくなつてしまふ
アゝ折角自由の世界へ解放されたと思つたらまたもや窮屈なお慈悲の獄屋に繋がれねばならぬのかいなア
エゝ有難迷惑とはこの事だ
ハイ是非に及びませぬ
謹ンでお受けいたします

・・・「人(霊止)還りの道」297編へつづく

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