「人(霊止)還りの道」290編


いかに猛悪なる獅子・虎・狼・熊・大蛇・豺・豹といへども口腹充つる時は決して他の獣類を犯すごとき暴虐はなさないものです
ただ飢ゑに迫りその肉体の保存上においてやむを得ずして他の動物の生命を奪り食ふのみです

しかるに万物の霊長たる人間(ジンカン)とは倉廩満ちてもなほ慾を逞しうして他人を倒しただ単に自己の財嚢を肥やし我が子孫のために美田を買ひ決して他を憐み助くるの意思なき者が大多数を占めてゐます

しかしながら神代の人(霊止)は社会上の組織は最も簡単にして物々交換の制度が自然に行はれ金銭といへども珍しき貝殻あるひは椰子の実の種をいろいろの器になしてこれを現今のお金に代用しまたは砂金などを拾ひて通貨の代用にしてゐたのです
さうして一定の価格も定まつておらずそれゆゑに神代の人はもつとも寡慾にしていかに悪人と称せらるる者といへども只々情慾のために争ふくらゐのもので時に大宜津姫(オホゲツヒメノカミ)神が現はれて衣食住の贅沢始まり貧富の区別やうやく現はれたりといへども現代のごとき大懸隔はたうてい起こらなかつたのです
そして大手祗神(オホヤマヅミノカミ)や野槌神(ノヅチノカミ)などの土地山野を区画して占領し私有物視したる者も出で来たりたれどもこれまた現代のごとくせせこましき者にあらず実に安泰なものでありました

<猛獣の律法>
(一)熊は熊・虎は虎・狼は狼・獅子は獅子・蛇は蛇・兎は兎としてある地点を限りそこに部落を作りたがひに他獣の住所を侵さざること
(二)各獣族は一切の肉食を廃し木の実または草の葉・木の芽などを常食とししかも身体少しも痩衰へず性質温良になりたがひに呑噬の争ひをなさざること
(三)時々各獣団体より代表者を兎の都に派遣し最善の生活上の評議をなすこと
(四)鰐をしてモールバンド・エルバンドの襲来に備へかつアマゾン河の往来の用に任ずること
(五)鰐を獅子王の次の位と尊敬し年々各獣は月の大神の社前に集まりて懇談会を開き鰐を主賓となし年中の苦労を犒ふこと

猛獣の律法に違反したるものは獅子王の命によりその肉体は取り喰はれその子孫永遠に獣類の身体を受得して地上に棲息するの神罰を与へらるること

これより数多の獣族は猛獣の律法を遵守し月の大神の宮に詣でて赤誠を捧げたるものは一定の肉体の期間を経て帰幽するやただちにその霊は天国に上り人間(ジンカン)としてふたたび地上に生まれ来たることとなりました
また猛獣の律法に違反したる各獣はその子孫に至るまで依然として祖先の形体を保ち今になほ人跡稀なる深山幽谷森林などに苦しき生活を続けてゐるのです

国常立大神はあらゆる神人を始め禽獣虫魚に到るまでその霊に光を与へ何時までも浅ましき獣の体を継続しむることなく救ひの道を作り猛獣の律法を守らしめてその霊を向上せしめ給へり

・・・「人(霊止)還りの道」291編へつづく

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