「人(霊止)還りの道」287編


私はこの森林に神代の昔より永住いたしまする兎の長でございます
この通り数多の種族を引き連れ神司様ご一行のお降りを月の大神様よりお示しにあづかりここに謹んでお迎へに参りました
なにとぞこの森林を御踏査下さいまして吾々の安逸に一生を送り得らるるやうお守りのほど偏に願ひ上げ奉ります

ご存じの通りこの時雨の森はその昔に吾々どもの種族が月の大神様より千代の棲処として与へられたものでございますがアダムとエバの霊より発生したる八岐の大蛇の一族をはじめ悪鬼悪狐の子孫ますます跋扈してつひにはモールバンドやエルバンドのごとき怪獣となり変はり吾々一同のものを餌食といたし今はそのほとんどが亡ぼされてしまひこの数百里の大森林の棲処において実に数千頭の影を止むるのみ吾々は悲惨な生活をつづけ戦々兢々として一時の間も安楽に生活を送ることができないのでございます
加ふるに虎・狼・獅子・熊・大蛇・鷲などの連中が常世の国のロッキー山方面より常世会議のありし後にこの森林に逃げ来たり吾らが種族を餌食といたし暴虐無道のその振舞は実に名状すべからず惨状でございます
なにとぞ神司様方の御神力をもつてこの森林の悪獣・悪蛇・悪鳥を言向和し動物一切相和し相親しみ天与の恩恵を永遠に楽しむやうお執りなしを偏に希ひ奉ります

兎とは月神を祭る民族なり
鰐とは武人の群の民族なり
ゆゑに兎と鰐の両族は互ひに相提携し天与の恩恵を楽しみ鰐は森林の持主なる兎の眷属といふべきものにして兎の国の軍隊ごとき用務に従事してゐるのである

モールバンドとエルバンドの怪獣は兎を食することを最も好み日夜そのことのみに精神を傾注してゐる
されど兎は最早この安全地帯に集まりしこととて巨大なる肉体を有するモールバンドはあまたの密生したる樹木に遮られてここに侵入するこを得なくなつてしまつた
いかにエルバンドといげどもアマゾン河の岸より首を伸ばしここまで届かすことはたうてい出来ない
それ故やむを得ずあまり好まざる肉ながら虎・狼・熊・獅子などを捕り喰ひわづかにその飢を凌ぎつつあるのである

昔の昔その昔
天に輝く月の大神様の
恵の露に霑ひて
アマゾン河の北南
広茅千里の森林を
吾らが千代の棲処ぞと
依さし給ひて永久に
与へ給ひし楽園弛
天津御空の星のごと
浜の真砂の数のごと
われらが種族は日に月に
生めよ栄えよ育てよと
神の恵の言の葉は
弥ますますに幸はひて
時雨の森を吾々が
玉の命の繋ぎ所と
喜び暮す折柄に
天足の彦や胞場姫の
醜の魂より現はれし
八岐大蛇の成れの果て
アダムの霊を受けつぎし
大蛇の魂はモールバンド
エバの霊を受けつぎし
悪狐のエルバンド
さも恐しき悪神と
生まれ変はりてアマゾンの
河の上下隈もなく
あまたの子孫を生み生みて
蟠りつつ吾々が
種族を彼らが餌食とし
旦に五百・夕べに五百
日々に千兎を捕り喰ひ
吾らは悲しき今の身よ
千代の棲処を失ひし
兎族一同やむを得ず
仁慈の深き鰐族に
固く守られ青垣山を
四方に繞らすこの島に
清けき湖を隔てつつ
わづかに生を保ちけり

豊葦原の瑞穂国
波に浮かべる五大洲
いづれの山も海河も
みな大神の御水火より
生まれ出でたるものぞかし
神の宮なる人の身は
いふもさらなり鳥獣
魚虫草木にいたるまで
国常立大神や
金勝要大神の
御水火によりて世の中に
現はれ出でしものなれば
神の御目より見たまへば
いづれも尊き貴の御子
恵に隔てあるべきや
天津日光は人の身も
木草の上も鳥獣
虫族までもおし並べて
光り輝き給ふなり

天地の間に人となり
獣となりて生まるるも
みな大神の御心ぞ
神の慈眼に見たまへば
尊き卑きの区別なし
吾も神の子・汝もまた
神の尊き貴の御子
御子と御子とは睦び合ひ
弱きを助け強きをば
なだめすかして睦まじく
この世を渡り祖神の
大慈悲心に酬ゆべし
神の授けし言霊の
恵の水火の幸はへば
服従ひ来たらむことあらむ

天津神たち国津神
国魂神の御恵を
朝な夕なに嬉しみて
清きこの世を送りつつ
すべての曲にうち勝ちて
月の御神の依さします
汝が天職を尽くすべし
尊き神の御光に
照らされ今は執着の
雲霧晴れて惟神
神の身魂となりにけり
三千世界の梅の花
一度に開く時来たり

黄金の玉は見えずとも
神に授けたる吾が魂は
金剛不壊の如意宝珠
紫玉か黄金の
玉のごとくに照りわたる
この御威徳をどこまでも
発揮し奉りて御恵の
露おく間なく禽獣の
上に注がせ給へかし

・・・「人(霊止)還りの道」288編へつづく

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