人(霊止)還りの道 – 838編

吾々が現代において最も虫の好かない嫌ひな者は沢山ある

先づ第一に借金取り矢の催促
次に絹足袋をはいて歩きまはる商店の丁稚
知つたか振りをして英語交りの会話をやる奴
婆アの眉毛造り
ハイカラ青年の赤いネクタイ
白頭爺の鍋墨顔
女学生の巻煙草
風呂の中の葱節
眼鏡越しに光つた眼をして人の面を下から上に覗くやうに見上げる奴
可笑しくもないのに幇間的追従笑ひをする奴
箱根越えずの江戸つ児を用ゐる奴
豹や狐の皮の首巻をする女等

数限りもなく嫌ひな者がある中に最も虫の好かぬのは現代の政治家・宗教家の唱ふるところの信教の自由を壅塞する時代遅れの宗教法案等である
因循姑息と時代錯誤と頑迷無知と不親切と偽善生活・厚顔無恥・没常識等をもつて充たされた連中が万世一系・天上無窮の神国の国政を料理しようとするのだからたまらない

憲政の逆転か時代の錯誤か時勢の要求か知らないが今日の内閣の顔触れを見ると田舎の町はづれの方にありさうな八百屋店の干からびた南瓜・胡瓜・大根・蕪のやうな到底中流の家庭の料理にも適せない
味の悪い歯切れのしない難物ばかりである

しかしながら吾々は政治家でないから却つてかういふ内閣が出来たのが時代に相応してゐるのかもしれない
あるひは天意であるかも分らない
政治圏外に在る吾々はただ表面から見ただけの事をいふまでだ

それよりもこの時代に当つて精神的文明を鼓吹し国民信仰の中心とならねばならぬ宗教家の現状を見るとこれまた日暮れて道いよいよ遠しの感に打たれざるを得ないのである
排他と猜疑と身勝手そして自己愛と嫉妬より外に知らない円頂緇衣の徒やアーメンの先生たちは何をしてゐるのであらうか
普選案が通過するとか即行されるとかいふ噂を聞きかじつて仏教家も牧師連も神職も教育家も全部手を唾して逐鹿場裡に立つて出ようとする形勢が仄見えてゐるやうだ

僧侶や牧師などは特に政治以外に超然として神仏の教を説き国民を教化してこそ宗教家の権威が保たれるのでないか
もし過つて宗教家が薬鑵頭に湯氣を立て捩鉢巻で選挙場裡に立つやうなことがありとすればそれこそ信仰上の大問題である
檀家は嫉妬反目し信者は党を作り宗教家を敵視するやうになり信仰の中心人物を失つてしまふ
さうすれば従つて神仏の権威も失墜し信仰の中心・思想の真柱を失ふ道理だ

吾人は思ふ
たとへ普選案が通過し宗教家や教育家に被選挙権が与へられたにしてもかかる俗界の仕事は俗人輩に任して超然的態度を執つて欲しいものだ
しかしながら翻つて宗教界の裏面を考へてみれば超人間的宗教家は金の草鞋で日本全国を探しても滅多に有りさうにもない
種々の悪思想の洪水が氾濫してヒマラヤ山上を浸さむとする今日の場合において釈迦・キリスト・マホメツト・孔子に老子そして小にしては空海・日蓮・親鸞・法然その他高僧知識と呼ばれる連中を一つに円め団子にして喰ふやうな宗教界の偉人が現はれて来なくては到底この人心の悪化を救ふことは出来ぬのであらう

鈴木慧星 SUZUKI Satose
Shamanism Consulting.

略歴経歴

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