人(霊止)還りの道 – 780編

ナア
〇〇右傾
どうも此のごろぐらゐ怪体な時候はないぢやにか
朝も早くから日の丸様がカンカンとお照りになさるかと思へば
直ぐさま西の方から黒雲がやつて来て日の丸を呑んでしまひ
お月様が照るかと思へば
雲に呑まれ
この暑い国も底冷たい風が吹き
何とはなしに悪魔に襲はれさうな氣分で
酒でも飲まなければやりきれぬぢやないか

オイ
□□左傾
それは何をいふのだ
酒どころかい
大事な大事な△△姫様はお行衛が分らず
旦那様が日々青息吐息で
大自在天様に火物断ちをし艱難苦労をしてござるのに
その家の門番の吾々が安閑として酒を呑むやうな不始末ができやうか
△△姫様がお帰りになつたら三日なりと五日なりとお祝ひの酒を頂かうとままだ
旦那様が火物断ちをしてござるのに
吾々は結構なお扶持をいただき安閑と門番をさして頂いてゐるのぢやないか
勿体ない
冥加に尽きるぞよ

それだつて人間はさう悲観ばかりするものぢやない
天地の道理を考へて見よ
黒雲は日月を呑み
大蛇は人を呑み
蛇は蛙を呑み
大魚は小魚を呑み
暴君は人の国家を呑み
英雄は天下を呑み
女房は夫を呑み
大工の宝は槌の鑿
人間は酒を呑み
茶を呑み
水を呑み
芸者は人の家倉を呑み
おまけに床の下から這い上つて来て吾々を遠慮会釈もなく噛んで血を啜る奴は蚤だ
それだから門番のみに心力を費やし謹慎々と謹慎のみに日を送つてゐるやうなことで
どうして人間様の生命が保たれやうか
人間は生活するために生きてゐるのぢやないか

馬鹿いふな
今の人間に生活なんてあるものか
生活と言ふやつは生々として社会に最善的活動をなし
神の御子として世のため
人のために愛善の徳に住し
信真の光に浴して
善美なる生涯を送るものを称して生活者といふのだ
どいつも
こいつも生活難がどうだの
生命がどうだのと学者ぶつて吐いてゐるが
生命がどこにあるか
何奴も此奴も
機械人形のやうに
ウヨウヨと蠢動して暗黒界に堕落し
虫の息で半死半生の境遇にありながら
新生命だとか何とか言つてゐるのが
をかしいわい
生活難ではなくて生存難のことを言ふのだらう

生存難に打ち勝ち半死半生の境涯を脱却しようとして吾々は活動をしてゐるのだ
それだから生活といふのだ
今日の種々の主義者を見よ
彼奴だつて
左に傾いているぢやないか
左に傾くのは酒に限る
それだから左傾(酒)党といふのぢや
アゝ酒なるかな
酒は百薬の長だ
万民愛護の神様だ
平和の曙光だ

オイオイ
□□左傾
さう脱線しては困るぢやないか
酒と左傾党とを混同してるぢやないか

定まつたことだ
酒に酔ふた上に管を巻き
終ひの果には氣に入らない嬶の横面をはり倒し
家から追出して新規播直しに愛善の徳に富み
信真の光に満ちた女神様を入れるのが酒の徳だよ
これを称して万民愛の世界改革酒断(手段)といふのだ
左傾党だつて同じやうなものだ
古い社会を立替へて新しい平和の社会を立直さうとするのだから
いづれ一度は酒の席と同様に
落花狼藉乱離骨敗
矛盾混沌の暗黒界を来たさないとも限らない
破壊のための破壊でなく
建設のための破壊だよ
さあさうだから僕はたとへ主人がどうあらうとも
下僕は下僕として酒に信頼するのだ

それやさうかも知れぬが
避けうる限り酒は避けたいものだなア

鈴木慧星 SUZUKI Satose
Shamanism Consulting.

略歴経歴

t  f  g

関連記事一覧

鈴木慧星 BLOG の知的財産権・プライバシー権・肖像権・パブリシティー権等その他の権利または利益を侵害する行為等を一切禁止します

鈴木慧星 BLOG ではソーシャルメディアサービスに関するポリシーと利用規約ならびにルールとマナーに違反する行為等を一切禁止します