人(霊止)還りの道 – 778編

何と
うまい果物だな
種は小さく実は大きく
まるつきり林檎を喰つてるやうだ
この村にはこの棗(ナツメ)は沢山あるだらうなア

ハイ
この村の名物でございますから
今年はよほど不作でございました
しかしながら二人や三人の年中の食料は
どうなりかうなり続けるでございませう

天然の恩恵だな
肥料もやらずに世話もせず
神様から実らして下さる実を勝手に食はして貰つていいのか
それでは
あまり冥加がよくないだらう
人間が遊惰になるのも無理がないわい

この棗の苗木は〇〇〇〇国から取り寄せたものでございまして
この村にも余り沢山はございませぬ
さうして日々虫取りに骨を折らねば
一日油断すればその虫が繁殖して葉を一枚も残らず噛んでしまひます
葉が無くなれば木が枯れるのです
なかなか油断はできませぬよ
なかなか生活は楽ぢやありませぬ

さうかな
ヤツパリ天然に生える果物でも世話が要るものかいな
その代わり肥料は要らないだらう
この辺は地が肥えてゐるから

この棗を頂く家は祖先の恩恵によるのです
さうですから
あまり何処にも
沢山はありませぬ

祖先の恩恵といふが
その祖先といふのは神様を指していふのか
或は此の家の祖先をいふのか
世の中の人間はいづれも神祖・人祖の恩恵を受けないものはない筈だ
この棗に限つて先祖の恩恵とは
チツと受け取れぬぢやないか

この棗を植ゑる時には犠牲が要ります
私の大祖先は子孫を愛するために自分の腹を切り
その血潮に根を染め
肉体は木の根に葬らせ
祖先の霊肉ともにこの棗の肥料となり
万古末代子孫安楽のために守つて下さるのです
それ故
この棗は生命と申しまして
あまり沢山はございませぬ
今お食りに成つたでせうが
この棗は酸ぱくて甘いでせう
これは人間の血液や肉の味でございます
吾々祖先の血を啜り
肉を食べて安全に暮してゐるのですから
いはば
あの棗は先祖の肉体も同様でございます

何と先祖の恩といふものは尊いものだな
吾々の祖先も国を肇め徳を樹て
道を開き
子孫を安住させむため苦労をして下さつたのだ
三五の教も実のところは祖先崇拝教だ
人類愛の神教だ
あゝ惟神霊幸倍坐世

鈴木慧星 SUZUKI Satose
Shamanism Consulting.

略歴経歴

t  f  g

関連記事一覧

鈴木慧星 BLOG の知的財産権・プライバシー権・肖像権・パブリシティー権等その他の権利または利益を侵害する行為等を一切禁止します

鈴木慧星 BLOG ではソーシャルメディアサービスに関するポリシーと利用規約ならびにルールとマナーに違反する行為等を一切禁止します