「人(霊止)還りの道」552編


これだけ沢山の金銭物品を供へても
神様はお受取りになるだらうかなア
かへつて御迷惑だらうも知れぬぞ
神様はすべて無形にましますのだから
このやうな人間の食ふ有形的供物はおあがりになるはずはないだないか
その証拠にや
いくら永く供へておいても
果物一つ減つてゐないぢやないか
こんな沢山の物供へるよりも
代表的にお三方に二台か三台か供へておいて差支へなささうだがな
まるで八百屋の店みたやうだ
エゝ―
貴様どう思ふ

貴様はヤツパリまだ神のことが分らぬとみえるワイ
神様は地上に降りたまふ時は
ヤツパリ人間の肉の宮を機関と遊ばすのだから
自然界の法則を基として
何事もお仕へせなくちやならぬぢやないか
信徒の供物を受取りたまふ神様は無形にましますがゆゑに
物質的食物は不必要だといつて
この結構な御祭典に
金額物品を供へない奴は
神様の愛にをらず
また神の恵みに浴することもできない偽信徒のなすべきことだ
祭典といふことは祭る法式といふことだ
祭るといふことは
人を待つことだ
いはゆるお客様を招待するも同じことだ
善と真とを衡にかけ
人間の愛と神の愛とを和合する神事だ
それだから
真釣りにまつるといふのだ
なにほど神様に供へたるお供へものがへらないといつても
肝腎要のお供物の霊は
みなおあがりになつてゐるのだ
大根は大根の味
山葵は山葵の味
魚は魚の味と
各自にその味が変つてゐるのは
みな神様から造られたものであつて
人間の所為でもなければ
大根・山葵それ自身のなし得たるところでもない
同じ土地に同じ肥料をやつても作つても
唐辛を蒔けば辛くなる
水瓜を作れば甘くなる
山椒を作ればまた辛くなる
そしてその甘さにも辛さにもおのおの特色がある
これみな神徳の内流によつて出来るものだ
それだから地上の人間は
神様に結構なものを与へられて
これを感謝せずにはゐられない
それゆゑ
神の御恵みを謝するために
心を尽してお供物をするのだ
この通り沢山なお供物の集まつたのも
たとへ少しづつでも
これだけの人間が
各自に何なりと持つて来たのだから
塵つんで山をなしたのだ
神は人間の真心を受けさせたまふものだから
菜の葉一枚でも供へてくれといつて持つて来た者は
みなお供へせなくちやすまないぞ
それが祭の祭たる所以だから

神様に物をお供へすればお蔭がある
お供へせない奴ア
神様が愛せないといふのは
チツと神としての神格に抵触するではないか

別に神様は
人間の乞食でもあるまいから
醵出したものをもつて生命を保ちたまふやうなお方ではないが
すべて愛の心がおこれば
人間は神様に何なりと上げたくなるものだ
また神様は
人間を愛したまふ時は
田もやらう
畔もやらう
といふお心にならせたまふものだ
年よりの親が
息子や娘に土産を買うて来てもらつたり
また孫がたとへ少しの物でも
これをお爺サンお婆サンに上げたいと思つて買つて来たと聞いた時は
その爺サン婆サンは
たとへ僅少なものでも
どれだけ喜ぶか知れぬだないか
せうもないものでも
息子が買うて来てくれたものだとか
孫がはるばる買うて来てくれたとか
送つてくれたとか
会ふ人ごとに話して喜ぶだらう
そしてわづか二三十銭の物を孫がくれると
爺サン婆サンは臍繰金の十円も出して
孫にソツとやるだないか
愛は愛と相応し
善は善と相応するものだ
それだから
祭を真釣合といふのだ
決して爺サン婆サンは吾が子や孫に
土産を買うて来てもらはうと望まない
と同様に
神様は決してお供へを望み遊ばない
けれどその子や孫が土産をくれた時の心と
くれない時の心とは
その時の愛の情動の上において
非常な差等のあるものだ
それだから
神の愛に触れむと思ふ者は
神を愛さなくてはならぬのだ
人間として
なにほど心を尽しても
神様に対する御恩報じは
金額物品をもつて
その真心を神に捧ぐるより
外に手段も方法もないだないか

それでも人間は精神をもつて神のために尽し
神を愛すればいいのだよ
なア
貴様
そう思はせぬか

それも一厘あるやうだが
ヤツパリ
愛の心が起つたならば
キツと中途に止まるものだない
終局点まで達するものだ
その終局点は
いはゆる人間の実地の行ひだ
霊から始まつて体に落ち着くのが真理とすれば
ヤツパリ神様に
山野河海の珍しき物や
幣帛料を献納するのは
いはゆる愛と誠の表はれだと思ふ

なるほど
それに間違ひない
さうでなければ
どうしてこんな大層な祭を遊ばすものか

・・・「人(霊止)還りの道」553編へつづく


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