「人(霊止)還りの道」344編


月照り渡る月の国
梵天王の守ります
清き尊き国なれば
バラモン国と称へけり

そもそも月の神国は
所をもつて国となし
その数七千有余国
刹帝利族を王となし
バラモン族は浄行を
唯一の勤めと励みしが
古き風習も今ははや
時の力に抗しかね
刹帝利族はさんざんな
憂目に遭ひて屏息し
今は全くバラモンの
やからの掌握するまでに
国の秩序は紊れたり

七千余国のその内に
最も広きハルナ国
ハルナの都に現はれて
梵天王の末裔と
僣称したる曲津神
鬼雲彦は葦原の
中津御国をあとにして
フサの国をば横断し
自転倒島に打ち渡り
暴威を揮ひゐたりしが
神素盞嗚大神の
守り玉へる三五の
教司に退はれて
雲をかすみと中空を
かけりて迯げゆく印度(ツキ)の国
ハルナの都に現はれて
梵天王の自在天
大国主を祀りつつ
霊主体従を標榜し
残虐無道の教をば
開きゐるこそ忌々しけれ

遠き神代の昔より
王の位を継承し
この国々の王位をば
占めたる清き刹帝利
国の貴族を虐げて
バラモン族と聞こえたる
大黒主はわが部下を
その国々に遣はしつ
現と幽との全権を
握らせおきて自らは
印度の国の大王と
なりすましたる時もあれ

嚠喨たる音楽の響きいづこともなく聞こえたり
芳香四辺に薫じ門内の内庭には白蓮華の花咲きほこり
牡丹・白梅・薔薇等の垣はその艶を競ひ
現界で見たこともないやうな
美しき羽の小鳥は爽かな声を出して天国の春を歌ふてゐる
黄金の玉盃を手にして黄金色の衣類を着けた美しき女神
白装束の紅の袴にてしづしづ出で迎へ
玉盃より紫の色したる水を指にぬらして唇にひたす
その味といひ香りといひ何とも譬へやうのなきものである
四柱の女神は導いて奥深く進み入る
奥殿深く進み入り正面を眺むれば
金銀をもつてちりばめたる須弥壇の上に紫麻黄金の肌をあらはし
儼然として控へたまふ一柱の神があつた
やさしみのあるうちにどこともなく威厳備はつて
面を向けるもまばゆいやうな心持ちがするとともに
何ともいへぬ懐かしみがした
この神は月照彦命であつた
左右に控へたる沢山の童子は手にいろいろの花を携へ
無言のまましとやかに須弥壇の前に舞ひ狂ふてゐる
馥郁たる芳香に美妙の音楽はたえず鼻耳をつき
燦爛たる殿内の光は目を新しく照らすのみである

・・・「人(霊止)還りの道」345編へつづく


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