「人(霊止)還りの道」216編


九重の花の都の山背
畏き神代に近江路や
色も若狭に丹波の
三国に跨る三国ケ嶽
木立ちの茂みは大空の
月日を封じて物凄く
昼さへ暗き大高峰
鬼か大蛇か魔か人か
見るさへ凄き婆一人
聳えて高き岩の根に
仮の庵を結びつつ
蛇や蛙を捕り喰ひ
その日を送る物凄さ

この山麓に立ち並ぶ
形ばかりの破れ家の
小さき棟も三四十
浮世離れし別世界
老若男女は谷川の
蟹や蛙を漁りつつ
餌食となして日を送る
鬼婆一人を棟梁と
仰いで遠く夜に紛れ
山城・丹波・近江路や
若狭・能登まで手を延ばし
赤児の声を探しつつ
隙さへあらば引つ捉へ
山の尾伝ひに逃げ帰り
婆の餌食に奉る

蛙の行列向かふ見ず
生命知らずの馬鹿者
羊腸の小径
辿りたどり進みて行く
これはこれは何神様かは
知りませぬが
どうぞ御守護を
お願ひいたします

神司の肩書を持ち岩窟の鬼婆を退治せむとここまで勇み進みて登り来ながら人の助けを借らうとするのか
をかしい
をかしい
依頼心の強い奴だな
情けない神司ぢやな
荒奴がたつた一人の婆を当てに出て来よつて何の態ぢや
こんなことでどうして神徳が現はれようぞ
こんなガラクタ神司ばつかりでは神政成就も覚束ないわいの
捕らぬ狸の皮算用をしよつて当てもないことに威張つてをるその心根が可愛らしい
可哀さうなものぢや

惟神惟神と口癖のやうに言ひやがつて難を避け易きにつき自分の責任を神様に転嫁し惟神中毒病を起こし大きな面をして天下を股にかけ濁つた言霊を使ひ折角の結構な世の中を濁す奴は貴様のやうな代物だ
チツとも足元に目がつかず尻が結べぬ馬鹿者だ
それでも誠の神司かい
貴様のやうな穀潰しが沢山に世の中にウヨウヨと発生しやがるものだから世界の人民は苦しむのだ
神を笠に着たり杖に突いたり尻敷にしたりケツケツけがわらしいワイ

三国ケ嶽に大蛇がをるの鬼婆がをるのと吐して征服するのとは何のことだい
鬼婆も大蛇も鬼も悪魔も貴様の胸に割拠してゐるのを知らぬのか
鬼婆を言向和さうと思へば貴様たちの腹の中の鬼婆から先へ改心さして出て行きやがれ
大馬鹿者奴

ちよつとよいと得意がつて無暗に燥やぎちよつと叱言を聞いては直ぐに悄氣かへるカメレオンのやうな奴だな
神界にはそんな妙な弱い弱い人足は一人もをりはせぬぞや

心の底から改心すればよし
マゴマゴしてをると天狗風を吹かして吹き飛ばしてやるぞ
天下の娑婆塞ぎ奴
ここを何処だと心得てゐる
貴様の目には悪神の巣窟と見えるであろうが誠の神の目から見ればどこもかしこもみんな天国浄土だ
貴様の心に地獄が築かれ鉄条網が張られ鬼が巣を組んでをるのが分からぬか

天眼通
天耳通
漏尽通
宿命通
自他神通
感通
天言通
七神通

阿羅耶識(アラヤシキ)を得たと云ふ神司

一を聞いて十を知る身魂でないと
誠の神の御用はできぬぞよ

燈台下は真暗がり
遠国からわかりて来るぞよ

・・・「人(霊止)還りの道」217編へつづく


関連記事一覧


無料メルマガ

お名前

メールアドレス


(ドメイン satose.jp 受信設定)

スポンサーリンク

Amazon

楽天市場

Y!ショッピング

Y!トラベル

ブログポリシー

鈴木慧星の名称およびブログの全部または一部をリンク・複製・引用・転用・転載・改変・アップロード・掲示・送信・頒布・販売・出版等を一切禁止します

ソーシャル・ネットワーキング・サービスの利用規約ならびにソーシャルメディアに関するポリシーおよびルールとマナーに違反する行為等を一切禁止します